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親子隣居の家

20年前に風設計室で建てた家と、そこで育った息子さんが設計依頼された住宅

2019年
熊本市東区

敷地の道路側(工事前は樹木が茂っていた場所)に息子さん家族の家を太陽熱空気集熱パッシブソーラーで新築し、奥の両親の家とはデッキを通って行き来できます。

両親の家:1994年
息子家族の家:2014年
住宅×2
木造2階
息子家族の家:太陽熱空気集熱パッシブソーラー

熊本地震から2年後の2018年に、以前設計した住宅のオーナーさんから、息子家族との同居を検討しているので、リフォーム出来ないかとの相談がありました。
久しぶりに訪ねると周辺はすっかり建て込み、地域の景色が変わっていて道に迷いました。 新しい周辺宅地は敷地割りが小さく混みあった印象の中、両親の家だけがうっそうと木に覆われていました。

まずは増改築リフォームの検討をしましたが、両親の家は方形屋根で形が完結しており、これを増改築で二世帯同居住宅へ改修するのは無理があると判断。
そこで設計当初から検討していた「敷地の道路側を別敷地として新築」することを提案しました。
いわゆる隣居です。

敷地南側には隣の住宅外壁が迫っており部屋の日当りには不利な条件ですが、ここで太陽熱空気集熱パッシブソーラーを組込むことで、部屋の温熱環境は整えられます。
2階の屋根には充分な太陽日射が降り注ぐので、冬季は太陽熱空気集熱で暖房効果があり、換気効果もあり乾燥気味になるため、洗濯物も部屋干しで乾くので、子育て中の共働き世帯は助かります。
その後、リビングに薪ストーブを設置し、子供のころから大好きだった薪を燃やす暮らしを楽しんでおられます。

 

両親の家は20年以上前に設計した住宅です。
当時周辺には水田もあり、のどかな環境の中にポツンと建つ親子4人家族の住まいでした。
敷地が広く、道路からのアプローチが広めの庭になっていて、別荘のような雰囲気でした。
リビングも屋根形状に合わせた天井が高くなっていて、伸びやかな空間です。
ディテールを工夫して造った暖炉とともに、家族に気に入ってもらいました。
しかし「さすがに最近では寒さが堪える」とのことで、今回ペレットストーブを追加して暖かく過ごしてもらえるようになりました。

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